日本皮膚科学会キャリア支援

NewsLetter 2019 巻頭のことば

Clinical dermatologyのさらなる高みを目指して

青山裕美

Release2019.6.6

今、医療界をめぐる様々な改革が、瀬戸際で実行されています。 医療新時代を迎え、皮膚科学のさらなる発展を推進するために、学 会全体で問題解決に真剣に取り組むべき時代が到来しています。
私達は、どこを目指して歩いて行くべきなのか。いうまでもなく、臨床皮膚科学を創造し、臨床皮膚科学領域で生じている問 題を解決するための能力の開発です。そのために、学会として 様々な取り組みが行われています。

イタリアの建築家は、哲学者でもあり思想家でもあって、自分 が引く設計図の一本の線が、人の人生をどう変えるのか、未来の 街がどう変わるのか、世界がどう変わるのか、話し合いながら設 計するのだと聞き、軽い衝撃を受けました。本来、医師は、建築 家以上に哲学者でもあり思想家でもあるべきで、われわれの判 断は、人の人生だけでなく、社会や人類の未来を変えるはずなの に、そういう観点で話す機会があまりにも少ない、考えなく線を 引いていることに気づいたからです。そこで、皮膚科医の皆様に、 哲学者や思想家のように未来を考えるきっかけになりそうな話 題をここにお届けいたします。

この一手が、未来をどう変えるのか、ひとりひとりが考えなが ら行うことに価値があると考えます。あなたならどうする、自分 ならこうする、その理由を語り合い、実行してその結果を評価す る。そして行動を修正し、PDCAサイクルを回す。その過程に参加 することで多くの学びと成長があることがわかっています。
その過程を共有できる場所が、教室であり病院であり、学会なのです。

学会の一般演題を聞いたら、手をあげて、質問すること、違う 意見を出してみること、その場を上手く収めるのではなく、ディ ベートをすること、真剣な質疑応答の闘いの過程で、発表者の提 案が磨かれて、より良いものにトランスフォームして皮膚科学 という建築のピースになるのではないでしょうか。 イタリアの見事な建築美は、数え切れない程の議論、成功と失 敗行動の集積の結晶なのだと考えられます。私達が目指すもの は、こういうものなのです。