日本皮膚科学会キャリア支援

山本明美先生のコレ !

旭川医科大学皮膚科学講座 教授

親切は脳に効く

親切は脳に効く

デイビット・ハミルトン著、堀内久美子翻訳 サンマーク出版

著者はスコットランド出身で、有機化学で博士号をもち、製薬会社に新薬開発に従事、その後は大学で教えたり、執筆活動をしたりしている方です。科学の知見を日常生活に結びつけ、分かりやすく紹介するワークショップ、講演活動も行っています。

幸福になるために一番確実で手取り早い方法があったら誰でも知りたいとですよね。特に気分が落ち込んだとき。我々で言うと投稿論文がリジェクトをくらったときなんて最低です。
そんなとき皆さんはどうされていますか?ヤケ酒とかやけ食いとか?私の場合はお風呂にゆっくり入って早めに寝る、という処方箋だったのですが、この本によると人に親切にするのがベストなようですよ。

色々な研究を引用して、どのような行為をした後に幸福感を感じるかを調べたところ、他人のためにお金を使った人が 一番幸せを感じていたそうです。人助けができてしかも自分にもプラスになって、こんないいこと他にないと思います。しかもアンチエイジングにもなるらしいです。これからは教室員や学生に親切にしよう、と強く心に誓いました。
漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

原作:吉野源三郎、漫画:羽賀翔一 マガジンハウス

吉野源三郎による児童文学で、1937年に出版され 、その後 、2017年に羽賀翔一により漫画家されて出版、翌年3月には累計200万部を突破した話題作です。主人公の少年の日々の悩みに叔父さんがノートでアドバイスをくれるという体裁。大人が呼んでも納得する部分があると思います。

私が特に好きなのは「人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて」のノートの前にでてくるお母さんの思い出話のところで、ちょっとした勇気がもてなかったために後悔する出来事を経験した後で、 その事実を次に勇気が必要になったときに背中を押してくれる原動力としてポジティブにとらえるというところ。セルフコンパッションにもつながる話とおもいます。