日本皮膚科学会キャリア支援

小林 里実先生

小林 里実先生のコレ !

聖母会聖母病院 皮膚科部長

友情

友情
平尾誠二と山中伸弥「最後の約束」

著:山中伸弥、平尾誠二・惠子 講談社

「私はほとんど本を読みません」。2019年のこのページに古江先生がそう書かれていて、ほっとしました。好んで本を読んだのは幼稚園前から小学生まで。中学生になると専ら新書のみ、高校生以降は映像や音への趣向に。
そんな私が最近、1冊の本を読みました。きっかけは長男。信じていた数少ない友人の一人に裏切られ心底落胆し、その友人と同じ班だった実習を休んでいるとのこと。真っ直ぐにしか物事を見られない息子へのアドバイスが、他人と心の距離を置くこと、そしてYouTubeで芦田愛菜さんの「信じるということ」という舞台挨拶を見ること。「人は裏切られたというけれど、それは自分がその人のことを勝手にそう思い込んでいただけであって、自分が知らなかったその人の一面が見えただけである」というもの。
芦田愛菜さんと言えば読書家で有名で、このような客観的視点をもつ彼女の愛読書を数冊購入した際、結局、帯を見てついでに購入した山中伸弥教授とラグビー界のレジェンドである平尾誠二さんの心の絆を綴った「友情」のみを読んだのです。性質も生きる世界も異なるが超一流の仕事をしてきたお二人が心の純粋な部分で信頼し合って重ねた数年が日記のように語られています。人生の線上に起きる影響と、「生きること」を実現するための選択。直球の文章が「シンプルに」と囁いているような気がします。
虚数がよくわかる

Newton別冊 虚数がよくわかる 改訂第2版

ニュートンプレス

掌蹠膿疱症(PPP)と掌蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)の手引きの執筆と編集に追われる最中、中2の次女が「存在しない虚数を学ぶ意味が分からない」とご立腹。 受験勉強などしたことがない私には学生時代に習ったかどうかも不明。ドサクサに紛れPAOの手引きでご一緒の辻成佳先生(整形外科)に虚数について尋ねたところ、秒速返信で教えてくださったのがこの本です。
次女と交互に音読。人類が虚数に至るまでの数学の歴史は興味深く、虚数の概念を用いると回転や拡大縮小を含む計算が平面上で表せる?と解釈。正しくは学習後に教えてもらいます。
私の生活は仕事と母親業の2極で構成され、この2つに時間的境目はありません。