佐山 浩二先生のコレ !
愛媛大学医学部 名誉教授
サイエンスZERO
TV番組
編集部にお伺いするとTV番組でもいいよというお話を頂いたので本ではなくTV番組の話をさせて頂きます。サイエンスZEROという科学関連のNHK EテレのTV番組を見ています。放送時間が日曜日の深夜帯(私にとっては)なので、残念ながらすでに寝ており録画で見ています。最新の科学技術をわかりやすく紹介するという趣旨の番組で欠かさず見ています。NHKで医学番組があると安直に勉強しようと時々見ていますが、いつもよくまとまっているなと感心させられます。医学以外にも科学に関することには 本能的に興味があり番組を見ますが、ドラマ等はほとんど見ないので、芸能事情には疎く家内とは中々話題 が一致しないことになります。また、歴史上の偉人よりも宇宙がどのようにして現在のような構造になったのかという方が重要だと思うのですが、家内からは相手にされません。
さて、数学者である木村建次郎教授（神戸大学数理・データサイエンスセンター）の回では、マイクロ波を用いたマンモグラフィーの紹介がありました。簡単にいうとマイクロ波を乳房に照射すると乳癌で反射され、その波形から乳癌の形を再現できるというものです。最近は医学の分野でもやたらとAI、ビッグデータ活用の話が出てきますが、木村先生の研究はなんと1つの単純な美しい（木村先生にとっては）数式で乳癌の形を再現できるのです。AIではうまくいかなかったようです。数学でこんなことが可能なんだ！と感動しました。また、別の回では武部貴則教授（東京医科歯科大学）の「腸を呼吸器として使う」という研究が紹介され、その発想に感心させられました。そこで、お二人とも第121回日皮総会で「異分野」として講演して頂きました※。科学がお好きなヒトにはお勧めの番組です。
※異分野講演1「波動散乱の逆問題とマイクロ波マンモグラフィ」(木村教授)、異分野講演2「哺乳類腸呼吸の臨床応用」(武部教授)
