日本皮膚科学会キャリア支援

東部支部

アンガーマネジメント入門

蓮沼直子(秋田大)

2018年10月6日(土) 17:00~19:00
星野リゾートOMO7旭川 6階 エルム

昨今あおり運転や激怒する議員などがニュースをにぎわせていますが、ここでのアンガー(怒り)はそのような激しいものばかりではありません。もやもや、イライラと いったものも含まれますので、そうなるとほとんどの方が感じるものではないかと思います。
アンガーマネジメントを学び、怒りすぎ、または言うべきことがいえず後悔することがなくなることを目指します。怒りは感情表現ですが、心身を守る感情でもあります。危ない時や心無い言葉に怒りがわくのはそのためです。また怒りを使ってメッセージを伝えることもあります。子供が道路に飛び出したとき悠長ににっこり「ダメ でしょ」という人はいません。つまり危ないときに怒りという感情をつかっていかに大変な危険なことをしたのかということが伝わるのです。
しかし、怒りすぎるとどうでしょうか?場合によっては怒りの強度が強すぎて、激怒していること、怒りっぽいことがメッセージとして伝わってしまい、肝心の伝えたいメッセージが伝わりにくいことが あります。それでは怒り損ですね。そうならないために、まずは自分の傾向を知ったり、怒りのおこるメカニズムを知ったりすることが重要です。
心のコップに疲れた、悲しい、自分ばかり...などのネガティブな感情がたまり、あふれるときに怒りと なると言われています。その心のコップの大きさは人それぞれですので、コップが小さいと自覚している方は溢れないように、気分転換やリラックスタイムをもって時々栓を抜くことが必要かもしれません。
また反射的に言い返したり、物を壊したりするのを防ぐには6秒待てばいいと言われています。 どのように6秒やりすごすかはその場を離れる、頭の中を真っ白にイメージするなど工夫が必要です。
また怒りは自分の価値感である「べき」が破られたときにわき上がります。怒りの性質として、力関係に沿って流れることが挙げられます。
つまり会社で上司に怒鳴られた部下が家に帰って妻にあたり、妻は子供をしかり飛ばす...といった具合です。
また怒りは近い関係ほど強くなることがあります。 自分をよく知っているからわかってくれる、○○してくれるはずといった期待や甘えなどが裏切られたときに怒りとなるのです。
しかし、怒りは悪いことばかりでなく、それをエネルギーに変えて行動を起こすということもできます。
怒りについてよく知り、うまく自分の感情と向き合い行動できるようになりたいですね。