日本皮膚科学会キャリア支援

東京支部からの報告

M&M相談会

2021

人生100年時代における 皮膚科医の役割

2021年11月13日(土)開催

第85回日本皮膚科学会東京支部学術大会キャリア支援委員会企画講演は、2021年11月13日、2年ぶりに対面形式での開催となりました。企画講演には多数の聴衆が訪れました。開会の辞では天谷雅行日本皮膚科学会理事長より「自分が好きなことを一定の期間まとめてやり続け、形となって人に頼られるようになる。自分の仕事を国際的にも理解してもらえるように、言葉、表現、書く力を磨いて訴える力をもたせなければならない。学会などでの限られた時間や状況での出会いで何を表現するか、が一生の違いを生み、今後のキャリアが変わっていくかもしれない」というお話がありました。
前半の講演では、高山かおる先生(済生会川口総合病院)より「SWGs(Sustainable Walkable Goals) を目指すフットケア診療の心得」と題し、健康寿命と平均寿命の差を埋めるための具体的な取り組みとして、鶏眼や巻き爪の処置が下肢機能低下を改善するデータや、小学校健診からフットケアを開始する重要性など、フットケアについての具体的なお話をいただきました。
他職種との協力で仲間もでき、社会に役立ち、臨床研究もできるセカンドキャリアの素晴らしい一例でした。

後半の講演では、舩越 建先生(慶應義塾大学)より「アンメット・メディカル・ニーズに対する関わり方として」と題して、免疫抑制剤を用いても再燃を繰り返す難治性かつ重症の天疱瘡に対し患者申出療養としてリツキサン(リツキシマブ)を用いた治療が奏効した症例についてお話いただきました。臨床研究推進センターや倫理委員会への働きかけなどの困難な状況を解決してリツキサンによる加療にこぎ着け、症状が大きく改善した写真は聴衆に驚きを与えました。
臨床現場の医師として痛感する「足りない」現状を好転させるため奔走し解決した結果、目の前の患者を救ったのみならず、同様の難治性疾患に苦しむ他の患者に対する治療選択肢を提供する可能性を拓いたお仕事でした。

最後に、多田弥生キャリア支援委員会委員長が「組織で重要なのはお金や建物ではなく人である、若い先生がこれをやりたいという強い思いを持って活動し、1人1人が組織の中で輝くために、周りがその個人を応援するために試行錯誤を行っている、若い先生が日皮会の大きな財産である」というお話で講演会を締めくくられました。

M&M相談会

M&M相談会は昨年に引き続き事前マッチングで決定したメンター9名が各メンティー(計9名:1名当日欠席)とオンラインで面談しました。相談形式・面談内容いずれについても、メンター・メンティー双方からの評判は 上々でした。

メンターの声

メンターからは次のような
感想がありました。

相談会について

  • ・元々の相談依頼と違う話題になった。
  • ・オンラインでも1:1で行う場合には画面に他の先生が映らないようにした方がよいかもしれない。

相談形式について

  • ・対面でお話しする方が、楽しさや、質問しやすさがあるが、でも、仕事と家庭を両立している女性医師のスキルアップを考えると、手軽に参加できるオンライン参加は、ポストコロナにもあっていい手段なのかなと思っている。
  • ・次回は全員対面で行えたらと思う。

その他

レクチャーのお二人の先生のお話だけでなく、天谷先生や多田先生のお話も大変印象的だった。

メンティーの感想

メンティーからは次のような
感想がありました。

  • ・大変参考になった。
  • ・色々なお話を聞くことができ有意義だった。
メンターの評価(9名回答) メンティーの評価(6名回答)
相談会について ・大変よかった4名
・よかった3名
・ふつう1名
・よくなかった1名
・大変よかった5名
・よかった1名
相談形式について ・大変よかった5名
・よかった3名
・よくなかった1名
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