名嘉眞 武國先生のコレ !
久留米大学医学部皮膚科学講座 主任教授
新型コロナと向き合う
「かかりつけ医」からの提言
著者:横倉義武
いまだコロナ禍のなかではありますが、意外にもなかなか本を読むことはありませんでした。ところが昨年の年末に突然横倉義武先生から表題の書籍が送られてきました。横倉先生は2012年から2020年まで日本医師会会長、2017年から2018年まで日本人で3人目の世界医師会会長をお務めになられたことはご存じの先生方も多いのではないでしょうか。
また先生は実は私の母校である久留米大学医学部外 科学の同門の先生でもあり、ある意味私の大先輩と言っても過言ではありません。先生は2020年まで日本医師会会長をお務めになられていますが、日本で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのが 2020年の1月です。
その後次第に感染者が増え、さらにダイヤモンド・プリンセス号での多数の感染者から国内で急増していきました。当時正確な情報はまったくなく理不尽な意見が飛び交うなか、先生はそのお立場から大奮闘の日々となり、その詳細が事細やかに記載されています。本当に読むだけで当時の連日の大変さが伝わってきます。
当時の安倍総理をはじめ関わる政治家の先生方や多くの医療関係者とともに必死になって日本国民を救うべく途轍もなく連日走り回っているお姿が想像できるほどです。また当然ながら国民だけでなく多くの医療従事者をも守るべく業務を、中心となって必死にな って働きかけていたことも十分に伝わってきます。上記の具体的な内容はとても大量で書けませんが、一番大変な時期を医師会会長として先陣をきられた、その経験と実績にはとても感服させられます。現在地元のかかりつけ医となられたわけですが、後半の、今後における他感染症のパンデミックに対して、講じるべき対策には十分に納得のいくところで、さらにかかりつけ医の存在の大きさを改めて認識させられた内容のものでした。
現在重症者は減少しているようですが、いまだ油断できない状況でもあります。いずれは終息するであろうと予想しますが、今回の経験を忘れないようにする、そして今後に活かされる大切なメッセージを述べておられ、お時間があれば一度お目を通していただきたいと思います。